Fama volat.

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語彙と文法

「ファーマ・ウォラト」と読みます。
fāmaは「噂」を意味する第1変化名詞fāma,-ae f.の単数・主格です。「名声」という意味もあります。
volō は「飛ぶ」を意味する第1変化動詞volō,-āreの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「噂は飛ぶ」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Aen.8.554)。

fāmaは英語のfameの語源ですね。fāmaの形容詞はfāmōsus,-a,-um(有名な)で、英語のfamousはこの単語に由来します。

余談

volatは第1変化動詞なのでamō,-āreと同じ活用をします。amō,amās,amat…と言える人は、volō,volās,volat,…と言えるでしょう。

このラテン語は『しっかり学ぶ初級ラテン語』の最初の練習問題の1番目で紹介しています。ウェルギリウスの『アエネーイス』第8巻の前後を引用します。

8.554-555
Fama volat paruam subito vulgata per urbem
ocius ire equites Tyrrheni ad limina regis. 555

突如「噂」が飛び、テュレーニアの王の門口に騎兵が急いで
向かっているという知らせが、小さい都中に広まった。

8.556-557

vota metu duplicant matres, propiusque periclo
it timor et maior Martis iam apparet imago.

母たちは恐怖に駆られ、祈りの数を倍に増やす。恐怖は危険が
近づくにつれて増し、いまやマルスの像がいっそう大きく現れる。

ウェルギリウス

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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